シンガポールに本社を置く日系定期コンテナ船事業運営会社Ocean Network Express Pte Ltd(ONE)は2019年7月2日、A.P. Moller-MaerskとIBMが共同開発したブロックチェーン対応のデジタル出荷プラットフォーム「TradeLens」にHapag-Lloydとともに参加すると発表した。
CMA CGM、MSC Mediterranean Shipping Companyの参加表明に続くもので、世界の上位海運会社6社のうち5社が参加することとなった。TradeLensは、グローバルサプライチェーン全体でのコラボレーションと信頼の向上を促進するプラットフォームで、中立的、効率的で透明性の高い、安全な情報交換を促進する。対象範囲は世界の海洋コンテナ貨物の半数以上に及ぶことになる。
ONEの山鹿徳昌コーポレート&イノベーション部門マネージング・ディレクターは、「オープンスタンダードとオープンガバナンスに基づく革新的アプローチは、業界全体の利益になるばかりでなく、国際海運業を通じて世界年間1億2,000万TEU以上のコンテナを国際輸送する顧客にもメリットをもたらすはずだ。海運業界のサプライ・チェーン全体でイノベーションを推進できるチャンスは非常に大きく、当社のリーダーシップと知見をプラットフォームの継続的な進化に役立てることができる機会を得られ、嬉しく思っている」とコメントした。
ONEは、ブロックチェーン・ノードを運用し、トランザクションの認証とデータのホスティングを行い、ネットワークのトラストアンカー(バリデーター)として機能する役割を担う。また、TradeLensの諮問委員会の代表メンバーとなり、中立性とオープン性の基準について助言するという。