三菱重工業は、シンガポールのプラント会社Jurong Engineering Limited(JEL)とのコンソーシアムにより、シンガポールの電力会社PacificLight Power Pte.Ltd.(PLP)との間で、Jurong島に67万kW級のガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を納入するEPC(設計・調達・建設)契約を締結した。同発電設備は2029年に運転を開始する予定。2025年10月23日発表した。
今回の契約で、三菱重工業はガスタービンや蒸気タービンなどの主要機器を供給し、JELは現地工事とプラント周辺機器供給を担当する。発電機は、三菱ジェネレーターが供給する。発電設備には、最新鋭のM701JAC(J-series Air-Cooled)形ガスタービンを中核として導入し、世界最高レベルの64%以上のコンバインドサイクル効率、300万時間を超える運転実績に基づく高い信頼性により、クリーンで安定した電力の供給に貢献する。
また、同発電設備には、大規模バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)も備えられる予定で、電力需要に合わせた柔軟なエネルギーマネジメントを実現する。完成後は、シンガポールで最大出力の高効率発電設備となる。
三菱重工業は、2000年初頭からシンガポールにGTCC発電設備を提供し、シンガポールのエネルギーインフラを支えてきた。JELとのコンソーシアムによる契約に基づき、三菱重工業は今回を含めM701F形ガスタービン2台、M701JAC形ガスタービン3台をシンガポール向けに納入することになる。シンガポールにおける豊富な実績とJELとの継続的な協業関係が今回の契約獲得に大きく寄与したという。
三菱重工業のエナジードメインGTCC事業部の中嶋大地海外営業部長は「シンガポールの増大する電力需要を支え、エネルギー転換を促進するPLPの象徴的なプロジェクトのために、JELと協力して貢献できることを光栄に思う。三菱重工業のガスタービンは、シンガポールの脱炭素化目標に向けたインフラの構築において重要な役割を果たす。パートナーと協力し、この大規模な開発を支援していく」とコメントした。