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三井化学、ベーシック&グリーン・マテリアルズ事業の分社化の検討を開始

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三井化学は2025年5月30日、石油化学事業を主体とするベーシック&グリーン・マテリアルズ事業(B&GM)について、より強靭な事業構造に転換しグリーン化を推進するため、他社との提携推進及び統合・再編に向けて、分社化の検討を開始すると発表した。

現在、ナフサクラッカーのダウンサイジング、フェノールやポリオレフィンをはじめとした誘導品の再構築・高機能化等に取り組んでいるものの、更なる構造改善を進める必要があるとし、B&GMが国際競争力を持ち、かつ日本の産業を支える強靭なグリーンケミカル事業として自走していくには同じ事業・方向性を持つ他社との提携を推進し、さらには経営資源を統合することにより、人財・技術・競争力・事業基盤等の面でともに強靭な事業体を実現していく必要があると判断した。

分社化を検討する事業の範囲については、フェノール事業、インダストリアルケミカルズ事業、サステナブル・フィードストックス事業、ライセンス事業、プライムポリマー、ポリウレタン事業をベースに今後詳細を検討する。

2027年近傍にはB&GMを分社化し、統合・再編の核となる事業体を設立する予定で、石油化学事業に特化した経営と迅速な意思決定、自社キャッシュフローによるグリーン化投資等を実行し、統合・再編のスムーズな推進に繋げるとしている。

B&GMは、サプライチェーンの川上においては石油精製等エネルギーの安定化、川下においては自動車・半導体等他産業へのエッセンシャル素材の供給を通じ、日本の産業競争力・経済安全保障・カーボンニュートラル等の面で重要な役割を持っている。一方、事業環境は、海外で大型プラント新増設が続き、国内では人口減少等に伴う需要漸減等により、厳しい収益状況にあり、今後数年間厳しい状況が継続する見通しという。

三井化学の担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「国内のみならず海外を含む事業アセットを分社化の検討対象とする考えである。一方で今後詳細を検討する段階で具体的には確定していない」(2025年6月3日時点)と答えた。

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