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ABC Impact、ファンドⅡを6億米ドル超で最終クローズ、ADBなどが投資

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アジアに特化したインパクト投資会社ABC Impactは2025年4月15日、ファンドⅡの最終クローズを6億米ドル超で完了したと発表した。Temasek、Temasek Trust、Asian Development Bank(ADB)、Mapletree Investments、SeaTown Holdings、東南アジアの政府系ファンド、米国のファミリー・オフィス、超富裕層個人など多様なリミテッド・パートナーが支援した。

ABC ImpactのファンドⅡが、投資戦略で重点を置いているのは、①クリーン・エネルギーと気候変動への耐性 ②包括的金融とデジタル・アクセス ③ヘルスケアと教育 ④持続可能な食糧システム――の4つのセクターで、これまでの投資先には、零細・小企業に融資を行うインドのAye Finance、太陽光発電プロジェクトに特化した再生可能エネルギー開発会社である日本のTekoma Energy、恵まれない患者に安価な治療を提供するインド最大級の透析ネットワークであるDCDC Kidney Careなどがある。

ADBのJackie Surtani地域ディレクター兼シンガポール事務所長は、「アジア地域におけるインパクト投資はまだ始まったばかりであり、成長段階の企業に対する資金提供には大きな隔たりがある。ABC ImpactのファンドⅡに対するADBの投資は、アジア・太平洋地域全体にインパクト・キャピタルを促進するという私たちのコミットメントを反映したものだ」とコメントした。

ABC ImpactのTow Heng Tan会長は、「ファンドⅡのクロージングの成功は、ABC Impactの規律ある投資戦略に対する大手機関投資家の信頼を裏付けるものだ。ADBのような外部資本を迎えることで、アジアにおけるより持続可能で包摂的な未来の形成へのコミットメントを深めている」とコメントした。

ABC ImpactのDavid Heng CEOは「資本は、意図を持って向けられれば、この地域が直面する最も緊急な課題に対する現実的で市場主導の対応を形成するのに役立つと信じている。気候変動への回復力から包括的な金融、医療へのアクセスに至るまで、これらの分野への投資は社会的要請であると同時に長期的なビジネスチャンスでもある」とコメントした。

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