五洋建設は2024年12月3日、PaxOcean Group社(CEO・Tan Thai Yong)と洋上風力建設に用いる大型自航式ケーブル敷設船(CLV)の建造契約を締結した。12月10日発表した。
五洋建設はこれまでSEP船(風車据付船)など洋上風力建設に必要な大型作業船の建造等に積極的に取り組んできた。風車建設工事から電力ケーブル敷設工事へと事業を拡大するため、一般海域はもとより将来のEEZにおける洋上風力建設を見据え、世界最大級かつ最新鋭のCLVを建造する。
建造するCLVは、5,000t×2基(合計10,000t)のカルーセル(ケーブルタンク)を搭載した大型自航式ケーブル敷設船で、着床式のみならず、浮体式洋上風力、さらには海底直流送電の電力ケーブルの敷設工事にも利用できる。最新型のトレンチャー(埋設機)とワークROVを搭載し、ケーブル埋設作業を効率良く行うことができるという。
船体設計はCLVの設計実績を多く持つSalt社(ノルウェー)に、船体建造はSEP船「CP-16001」を建造したPaxOcean Group社(シンガポール)に発注する。また、トレンチャーとワークROVは、多くの実績を持つSMD社(英国)の最新機器を搭載する。
CLV船体については五洋建設が設立予定の子会社(保有比率50%)と芙蓉総合リース(50%)が、CLVに搭載するトレンチャーおよびワークROVについては五洋建設が設立予定の子会社(65%)と小島組(35%)が共同保有する。また、運航については小島組に運航管理業務を委託する予定。
CLVの建造費は、本体約310億円に、トレンチャー及びワークROV約55億円を加えて約365億円で、2028年2月に完成・引渡し、2028年度上期からの稼働を予定する。