商船三井とシンガポール海事港湾庁(MPA)は2024年11月26日、脱炭素、デジタル活用、人材育成の分野における協力深化に向け包括的協業覚書を締結した。MPAのTeo Eng Dih長官と商船三井の橋本剛社長が、商船三井本社(東京・虎ノ門)で署名した。
両社は、これまでも海事産業の脱炭素化に向けた様々な取組で協力してきており、今回の覚書締結により、これらの取組が更に幅広い分野で促進されていくことになる。具体的には下記で協業する。
・海事産業全般における脱炭素分野での協業
メタノール、アンモニア、水素等、次世代燃料源の供給体制確立に向けての相互検証。風力技術の更なる活用検討。
・デジタル化と海事イノベーション
デジタル化を通じた航海管理と輸送業務の効率化の向上、サイバーセキュリティの開発、自律航行試験における協力、地元のスタートアップとの協力を重視した海洋イノベーションエコシステムの育成。
・海事人材の共同育成
海上・陸上職 双方の人材育成。
Teo長官は「今回の覚書は、MPAと商船三井の長年にわたる協力関係を再確認するものだ。MPAは、イノベーションと研究エコシステムに支えられた海事ハブ港として、産業界や三者協力パートナーと緊密に連携し、デジタル化、サイバーセキュリティ、脱炭素化、人材能力の向上を支援している。私たちは、商船三井がシンガポール-日本間の Green & Digital Shipping Corridors(GDSC)海事コミュニティに向けた拡張可能なソリューションを展開していくために、我々の経験と専門知識の両方を活用し、活動を拡大することを期待している」とコメントした。
橋本社長は「今回の二者間での協業分野は海事産業全体の課題でもあり、同じ志を持つものとして互いに取り組んで行く事で、実現の可能性が高まることを期待している。今回の包括的協業関係の構築により、海事産業全般に貢献が出来るものと確信している」とコメントした。