ユーグレナとマレーシアのPetroliam Nasional Berhad(PETRONAS社)、イタリアのEni S.p.A.の完全子会社Enilive S.p.A.(Enilive社)は、マレーシアにおけるバイオ燃料製造プラント建設・運営プロジェクトに関して、最終投資決定を行った。同商業プラントは、ジョホール州のPETRONAS社の石油・石油化学コンプレックスPengerang Integrated Complex(PIC)内に建設する予定。2024年7月26日発表した。
ユーグレナとPETRONAS社の子会社のPETRONAS Mobility Lestari Sdn Bhd(PMLSB)とEnilive社が筆頭株主のSPC(特別目的会社)「Euglena Sustainable Investment Limited」をマレーシアに設立し、同商業プラントの建設・運営を行う。2024年第4四半期着工予定で、2028年下期までの稼働開始を目指す。PETRONAS社のPICが所有する設備・ユーティリティを利用し、年間約65万トンの原料処理能力で、バイオジェット燃料(SAF)、次世代バイオディーゼル燃料(Renewable DieselまたはHydrotreated Vegetable Oil(HVO))、バイオナフサを製造する。
原料には、使用済み植物油や動物性油脂、植物油の加工に伴う廃棄物などの廃棄物・残渣系原料、将来的には微細藻類由来の藻油などのバイオマス原料を使用予定という。
同商業プラントは、Eni社が米国の多国籍企業Honeywell UOP社と共同で開発した「Ecofining™ 技術」と前処理装置を備えることによる多様な原料の処理能力と、SAFとHVOの生産を柔軟にコントロールしながら最大化できる製造設備を兼ね備えた専用の設計に基づいて新設される。
Enilive社のStefano Ballista CEO(最高執行責任者)は「本プロジェクトの最終投資決定は、当社が2030年目標とする年間500万トン以上のバイオ燃料生産能力と、うち200万トンのSAF生産が可能なオプションを実現するための足掛かりとなるものだ。2014年以来、当社は既にイタリアでバイオ燃料製造プラントを運営しており、最近では米国でもバイオ燃料製造プラントの運営を開始した。PETRONAS社およびユーグレナ社との協力により、当社はアジア市場に参入し、際立った存在感を世界に示すことになる」とコメントした。
ユーグレナの担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「プロジェクトは13億米ドル相当の規模になる見通しで、このうちユーグレナは5~15%(約65百~1億95百万米ドル)投資することになる予定だ」と答えた。