医療・健康

メディカロイド、シンガポール・愛知間でhinotori™を用いた遠隔手術実証実験

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メディカロイド(本社:神戸市中央区)は2023年10月9日、約5,000km離れたシンガポールと愛知の2拠点間で、手術支援ロボットシステム「hinotori™サージカルロボットシステム」を用いた遠隔手術の実証実験に成功した。シンガポールと日本を結んだ実証実験は国内初という。10月11日発表した。

遠隔手術とは、異なる医療提供施設間において指導医が情報通信技術を用いて手術の支援や指導を行うことをいい、離れた2拠点間で一つの手術支援ロボットを操作する技術が実現すると、熟練医師の手術支援を離れた場所からでも受けることができ、世界中で高度な外科医療を提供できるようになる。また、遠隔手術指導により、世界中の医師の教育の質の向上にも繋がると期待されている。

同実証では、シンガポール国立大学病院内にあるトレーニングセンターに「hinotori™」のサージョンコックピットを、愛知の藤田医科大学内にあるトレーニング施設「メディカロイド インテリジェンス ラボラトリー 名古屋」には「hinotori™」のオペレーションユニットとサージョンコックピットを設置し、約5,000㎞離れた環境で、遠隔手術および遠隔手術支援が実施できることを確認した。

「hinotori™」はシンガポールのHealth Sciences Authority(健康科学庁)より販売承認を取得している。

メディカロイドは、「遠隔手術は研究開発段階だが、今後、世界のどこであっても高度な外科医療が受けられる環境を提供できるよう、実臨床に向けた技術開発を推進していく」としている。

メディカロイドの担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「今回の実証実験では、日本側のオペレーションユニットに臓器を模したモデルをセットし、シンガポール国立大学病院側のサージョンコックピットから操作を行った。日本とシンガポール約5,000kmの距離で専用回線を用いても100ms(約0.1秒)の遅延が発生することが確認された。操作は問題なく可能であったものの100ms以上であれば人間の感覚として遅延を感じると言われているので一般的に使用されている共有回線を用いて手術を行うには、さらに技術的な向上が必要と考えている。将来的な社会実装のためには共有回線を用いた検証も不可欠と考えている」と答えた。

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