SBIホールディングスは、グループが運営するSBI-NTU-Kyobo Digital Innovation Fund(所在地:シンガポール)を通じて、インドネシアで包括的な小規模農家向け支援サービスを提供するEra Agro Technology Pte.Ltd.(本社:シンガポール、創業者兼最高経営責任者:Andrew Soeherman)へ出資することに合意した。2023年7月10日発表した。出資額、出資後の持株比率は非開示。
今回の合計USD2m(約2.8億円)のシリーズシードエクステンションラウンドでは、同ファンドがリード投資家を務め、その他にGenting VenturesやOrvel Venturesなどの東南アジアの投資ファンドが参加している。
インドネシアの小規模農家の多くは銀行からの融資を受けられず、高利貸から融資を受けることが多いのが現状で、また、事業規模が小さくサプライチェーン内での立場が弱いため、不当な買取価格や支払遅延といった問題に直面しているという。
Eratani社は、2021年よりインドネシア現地法人PT Eratani Teknologi Nusantaraを通じてインドネシアの小規模農家に対し、農業プロセス全体の支援サービスを提供している。サービスの利用者数は現在約2万人という。
具体的には、▽地元のフィンテック企業と連携して適正な金利でのローンを提供 ▽農業資材メーカーと取引を行い農家へリーズナブルな価格で資材を供給 ▽農作物を引き取り小売店や地元市場へ直接販売――などを通じて、これらの問題を解決し、農家の所得向上に寄与している。
さらに、モバイルアプリや現地訪問を通じて、耕起から収穫までのプロセスを指導・管理し、農作物の生産量増加と品質向上をサポートしている。
SBIホールディングスは、「インドネシアの広大な農地と人口ボーナスに支えられ、市場のさらなる成長が見込まれている。農家に対して包括的なサービスを提供し独自のエコシステムを構築するEratani社事業の拡大が期待できる」としている。
SBI-NTU-Kyobo Digital Innovation FundはSBIホールディングスの子会社のSBI Ventures Singapore(本社:シンガポール、代表:林 良輔)が、シンガポールの南洋理工大学の産学連携を加速する子会社であるNTUitive(本社:シンガポール、代表取締役社長:David Toh)、韓国の教保生命グループ傘下の証券会社である教保証券(本社:ソウル市、共同代表取締役社長:Bong-kwon Park、Seok-ki Lee)と共に設立した。SBIホールディングスの子会社のSBI Ven Capital Pte.Ltd.(本社:シンガポール、代表:林 良輔)が運用している。
◇Era Agro Technology Pte.Ltd.
【 所在地 】20A Tanjong Pagar Road Singapore 088443
【設立年月日】2022年4月6日