物流・ハブ

阪和興業、シンガポール子会社で舶用燃料油債権に回収不能・遅延のおそれ

投稿日:

阪和興業は2019年6月5日、連結子会社HANWA SINGAPORE(PRIVATE)LTD.において取引先に対する債権の取立不能または取立遅延のおそれが生じたと発表した。回収遅延が判明した時点の債権残高額は約2,000万米ドル(約22億円)で、現在、一部の売掛債権の回収を確認し、残りの回収に向けた手続きを弁護士も交えて交渉しているという。

同社によると、HANWA SINGAPORE社は2019年2〜4月にかけて、シンガポール所在の石油製品卸売業者2社からFOB(本船渡し)契約にて仕入れた軽油を、洋上で販売先である英国所在の石油製品小売業者が指定する漁船等に分割して引き渡す取引を行ったが、その後、売掛金の一部が期日になっても入金されないため、販売先に請求したところ、商品現物の所在および実際の引き渡しの有無が確認できない状態になっていることが判明した。

現時点では、取立不能または遅延の債権額が未確定で、損失見積もりができないため、貸倒引当金等は計上していないが、今後の経過により連結業績に重要な影響が生じる場合には、速やかに開示するとしている。

同社はASEAN地域の事業拡大に注力しており、HANWA SINGAPORE社には常勤の執行役員2人、法務担当2人を配置していた。「現地の取引慣行に流され、本来の取引条件(販売:前受金、仕入:L/C決済)が遵守されていなかったことも取立遅延発生の誘因であり、事実解明に時間を要している要因ともなっている」としている。

-物流・ハブ

Copyright© シンガポール新聞社 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.