三洋貿易(東京都千代田区)は2022年12月7日、シンガポールの昆虫タンパク質の研究・製造販売スタートアップFL Feed Pte.,Ltd.への投資と、タイ子会社Sanyo Trading Asia Co.,Ltd.がFL Feed社のタイ子会社Flylab Tech Co.,Ltd.と業務提携について契約を締結したと発表した。投資額は非開示。
FL Feed社とFlylab Tech社は2021年11月、ペットフード業界、水産及び畜産の養殖業向けにアメリカミズアブ(英名:Black Soldier Fly(BSF))由来昆虫タンパク質の研究・製造販売を目的に設立された。
昨今、水産資源保護の観点より飼料用動物性タンパク質である魚粉の不足が懸念されているなかで、昆虫タンパク質は動物飼料の新たな供給源として研究が進んでおり、次世代の飼料原料として期待されているという。
BSF由来昆虫タンパク質の生産過程では、温室効果ガス排出量が少なく、BSF養殖原料に食料廃棄物を用いることから、環境負荷の軽減も見込まれているという。
三洋貿易グループは今後、日本、中国、米国及びアセアン諸国において、Flylab Tech社が製造するBSF由来昆虫タンパク質の拡販を促進していく。
なお、今回の投資は、将来、株式に転換することを約定する投資契約「将来株式取得略式契約」により実行するとしている。
三洋貿易の担当者はシンガポール新聞の取材に対して「既にFlylab Tech社はBSF由来昆虫タンパク質の研究施設および小規模生産工場をもっており、販売を行っている」と回答した。