商船三井とシンガポールのPavilion Energy Pte Ltdは2022年10月4日、シンガポールのSembcorp Marine Ltd.の造船所で新造LNG燃料供給船の命名式を実施した。シンガポール籍船となる同LNG燃料供給船は、シンガポールの国花『蘭』に因んで“Brassavola(ブラッサボラ)”と名付けられた。2023年に竣工する予定。
“Brassavola”は商船三井の完全子会社Indah Singa Maritime社が保有し、Pavilion Energy社の完全子会社Pavilion LNG Bunker I社により傭船される。主にシンガポール港でのLNG燃料供給に従事する予定。また、Pavilion Energy社との長期契約に基づき、TotalEnergies Marine Fuels社も“Brassavola”を利用してLNG燃料を供給する。
命名式に出席したシンガポール海事港湾庁(MPA)のCapt M Segarアシスタント・チーフ・エグゼクティブ(オペレーション部門)は「シンガポール港は海事産業の脱炭素化に向けた行程を支援するため、LNG燃料供給拠点として機能強化を続けており、“Brassavola”が新たにLNG燃料供給船船隊に加わることを楽しみにしている」と述べた。
商船三井の松坂顕太・取締役専務執行役員は「“Brassavola”はシンガポールで建造された最初のLNG燃料供給船である。LNG燃料の使用はGHG排出量削減に直結する。“Brassavola”の船主として、従来の重油からの移行に貢献できることを光栄に思う」と述べた。
Pavilion Energy社のAlan Hengグループ最高経営責任者(CEO)は、「“Brassavola”は、シンガポールの海運業の脱炭素化において極めて重要な役割を果たし、顧客に、より高い柔軟性、効率性、透明性を提供する」と述べた。
TotalEnergies Marine Fuels社のLouise Tricoire副社長は、「私たちは、“Brassavola”が来る運航開始の瞬間を迎え、シンガポール、ロッテルダム、マルセイユに寄港するLNG燃料船に、さらに拡大したクリーンな船舶燃料供給網を提供することを心待ちにしている」と述べた。
Sembcorp Marine社のWong Weng Sun社長兼CEOは「商船三井とPavilion Energy社と協力し、気候変動と脱炭素化に関するシンガポールの戦略および2050年までにGHG排出量を半減させるというIMOの戦略に貢献できることを嬉しく思う」と述べた。
◇“Brassavola”
【 全長 】116.50m
【 幅 】22.0m
【タンク容量】12,000m3