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西武HD、プリンスホテル保有31物件を約1,500億円でシンガポールGICに譲渡

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西武ホールディングスは2022年2月10日開いた取締役会でシンガポール政府系投資ファンドGIC Private Limitedの関係会社Reco Pine Private Limitedとの間で、西武HDの連結子会社プリンスホテルが保有するホテル・レジャー事業資産全76物件のうち31物件について、法的拘束力を有する基本協定書を締結することを決議し、同日Reco Pine社と基本協定書を締結した。

今後、基本協定書に基づき、プリンスホテルは当該ホテル・レジャー資産を、GICグループが出資する複数の合同会社へ譲渡し、一方で西武・プリンスホテルズワールドワイドが当該ホテル・レジャー資産の運営業務を、西武HD連結子会社の西武SCCATが当該ホテル・レジャー資産のビルマネジメント業務をそれぞれ受託することを主な内容とする取引を行っていくとしている。

想定ストラクチャー

発表によると、西武HDは、西武・プリンスホテルズワールドワイドが保有資産を圧縮した上で、グループ内外のオーナーからホテルなどの運営を受託するホテルチェーンモデルを企図し、検討を進めてきたなかで、日本および海外に豊富なホテル投資経験があるGICとパートナーシップを構築することは今後の西武・プリンスホテルズワールドワイドによるホテル運営受託業務の拡大にも繋がると判断した。当該ホテル・レジャー資産の譲渡価格は約1,500億円で、2021年3月31日時点の帳簿価額を前提とした場合の譲渡益は約800億円程度という。

当該ホテル・レジャー資産に係る売買契約の締結は2022年5月を予定し、資産譲渡の実行日は2022年9月を予定する。譲渡が完了すると、当該ホテル・レジャー資産および当該ホテル・レジャー資産に係る損益などは西武HDの連結対象から外れる。

GICのLee Kok Sun不動産部門最高投資責任者は、「本件取引は、大規模かつ好立地・ハイクオリティな資産により構成された貴重な投資機会であり、コロナ禍においても堅調な国内需要および今後増加するであろう世界的な旅行需要により、安定的なリターンを期待できる。GICは、過去30年以上の長期に亘り、日本の不動産市場に投資してきた。GICは西武グループと共に、当該ホテル・レジャー資産の価値を向上させ、長期的なパートナーシップを構築していきたいと考えている」とコメントした。

◇当該ホテル・レジャー資産の名称
ザ・プリンスパークタワー東京、苗場プリンスホテル、苗場スキー場、かぐらスキー場、札幌プリンスホテル、サンシャインシティプリンスホテル、グランドプリンスホテル広島、ザ・プリンス京都宝ヶ池、志賀高原プリンスホテル、志賀高原焼額山スキー場、竜王ゴルフコース、大原・御宿ゴルフコース、釧路プリンスホテル、万座プリンスホテル、万座高原ホテル、万座温泉スキー場、下田プリンスホテル、函館大沼プリンスホテル、北海道カントリークラブ、嬬恋プリンスホテル、嬬恋高原ゴルフ場、日南串間ゴルフコース、富良野ゴルフコース、岩手沼宮内カントリークラブ、女満別ゴルフコース、屈斜路プリンスホテル、上士幌ゴルフ場、六日町八海山スキー場、雫石プリンスホテル、雫石スキー場、雫石ゴルフ場

なお、上記売買契約の締結までの過程で、ストラクチャーの変更や当該ホテル・レジャー資産からの一部資産の除外などが発生する可能性があるという。

◇Reco Pine Private Limited
【本店所在地】168 Robinson Road #37-01 Capital Tower Singapore(068912)
【 代表者 】Director Tsun Ah Boon Sunny
【 事業内容 】投資保有
【 資本金 】非開示
【設立年月日】2019年11月12日

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