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JACリクルートメント、21年3Qシンガポールホワイトカラー人材紹介市場動向

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人材紹介事業のジェイ・エイ・シー・リクルートメントは、2021年第3四半期(7‐9月)のアジア各国のホワイトカラー人材紹介市場の動向をまとめ、2021年10月26日概要を発表した。

シンガポールの求人数は、対前年同期比156%、対前四半期比112%で推移しており、「新型コロナウイルスの感染が急拡大する中でも、求人数は順調に増加」した。

第3四半期中のシンガポールの国内状況については、「デルタ株感染拡大の影響でこれまで落ち着いていた感染者数が1日2,000人を超え、連日過去最多を更新している。政府は再び規制強化に踏み切り、国内の全世帯に自主検査キットを配布し、同時に60歳以上の高齢者を対象に3回目の追加接種を開始した。ワクチン接種率は人口の83%と世界的にも高いシンガポールでは重症化率は低い。このような中、今年の公式人口年次統計が発表され、1950年以来最大の減少幅を記録し、昨年比4.1%減の545万人となった。コロナ感染拡大に伴う移動規制で、国外からの外国人の入国が減少したことも一因と言われている」と説明した。

そのうえで、企業の採用動向に関しては、「引き続きニーズの高いITに加え、金融や物流、食品関連企業などの求人が増えている」とした。

また、「5月1日以降、配偶者ビザ(DP)への就労許可証(LOC)の発行が一部例外を除き原則廃止となったことで、該当者を雇用している企業はその対応(EP・Spassなどの就労ビザに切り替えて雇用継続/LOC期限が切れるタイミングで雇用終了し新たな人材を採用など)に追われたが、この度、就労制度の改定があり、DP保持者もワークパーミット(WP)という就労パスを取得することで就労が可能となった。企業からはこの新たな就労ルールに則ったDP保持者向けの求人依頼も受けている」と就労ルール変更に伴う企業の対応動向についても言及した。

シンガポール法人JAC Recruitment Pte Ltdの担当者は、金融の求人に関して「日系50%、外資・現地50%である。職種はばらつきがあるが、クライアントサービス、コンプライアンス、リサーチ関連が多い。常に求人があるのは、投資銀行オペレーションである」と補足した。

また、食品関連求人増加の背景について「政府の方針でDine-inできる人数に限りがあり、家族、特に子どもがいる世帯の自宅での食事回数は増加している。それに伴いスーパーマーケットやEコマースでの購入率が上昇し、食品メーカーや卸では新規人員の採用が以前に比べて増加している」と説明した。

求職者の動向に関しては、「日本人求職者の新規登録者数はシンガポール国内外ともに減少傾向である。デルタ株の拡大で再度の渡航規制が敷かれ、国外の求職者の活動が制限されたことや、国内の求職者も市場ニーズは高いものの、この不安定な状況下で積極的な就職活動を控える傾向がみられた。しかし、配偶者ビザ(DP)のワークパーミット取得による就労が可能になったことを受け、LOCの就労期間が終了した人や、新たに転職を希望するDP保持者の中には、ワークパーミットを取得して就労するケースが出ている。一方、ローカルの求職者もコロナ禍により転職を控える傾向がみられ、第3四半期も登録者数は鈍化した。現時点では情報収集に徹し、具体的に活動を開始するのは来年以降を見込んでいる人が多い状況である」と分析した。

シンガポール法人JAC Recruitment Pte Ltdの担当者は、「シンガポール国外在住の転職希望者は、入国制限やビザの厳格化により実際に就職が決まることは少ない。当社を通じて決まっている人の多くは、シンガポール人またシンガポール在住の外国人(日本人含む。就労ビザ不要者)という状況である。成約内容に関しては、経理財務会計関連などの管理職、IT関連での成約が多く、賃金上昇が見られる」と補足した。

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