医療・健康

オムロンHC、シンガポール企業とインドで遠隔診療サービスの共同試験開始

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オムロン・ヘルスケア(京都府向日市)は2021年8月17日、心疾患患者の術後管理の適正化と再発防止を目指し、AI(人工知能)による心疾患バーチャル診断サービスを提供するシンガポールのTricog Health Pte Ltdと、インド・ベンガルールの総合病院SAKRA WORLD HOSPITALと共同で、心疾患手術およびアブレーション治療(カテーテルを用いた不整脈治療)を受けた患者を対象とした遠隔診療サービスの共同試験を開始した。

Tricog Health社は2015年創業。発表によると、シンガポールに拠点を置き、クラウドベースのAI活用サービスを通して、世界1万2,000の医療機関を支援し、600万人以上の患者に対してバーチャル診療サービスを提供している。

SAKRA WORLD HOSPITALは、インド初の多国籍医療機関であるインド法人Takshasila Hospitals Operating Private Limitedの一部門で、2014年2月に複数の専門診療科を持ち350床を有する旗艦病院をベンガルールにオープンした。

共同試験では、心疾患患者の術後管理における血圧・心電図データの遠隔モニタリングの有用性と、遠隔診療サービス実現に必要な要件を明らかにし、患者の状態や特性に適した術後管理の方法や再発防止につながる医療体制の構築を目指す。

対象者は、SAKRA WORLD HOSPITALで心疾患の外科手術またはアブレーション治療を受けた患者で、オムロン・ヘルスケアの心電計付き上腕式血圧計を使用して、家庭で血圧測定と心電図記録を行う。取得したデータは、Tricog Health社のプラットフォームに転送され、Tricog Health社のAI技術解析により患者の状態を詳しく分析する。

SAKRA WORLD HOSPITALの医師や医療従事者は、その分析データを用いて、患者の状態変化に応じた早期介入や術後管理の適正化を行う。

試験概要は下記の通り。

【実施期間】2021年8月17日(火)から約6カ月間
【対象人数】50人
【対象条件】サクラワールドホスピタルで心疾患に関する外科手術またはアブレーション治療を受けた患者
【実施内容】心電計付き上腕式血圧計を配布し、退院後、毎日家庭で血圧測定と心電図記録を行う。測定したバイタルデータはトライコグのプラットフォームに転送される。サクラワールドホスピタル医療チームは、Tricog Health社のプラットフォームとAI技術を用いて遠隔で患者の健康状態を確認し、状態に変化があれば介入する。患者は家に居ながら24時間、SAKRA WORLD HOSPITALの医療従事者と連絡可能になる。

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