シンガポール最高裁判所高等法廷(The High Court of the Republic of Singapore)は2021年1月29日、千代田化工建設とマレーシア子会社千代田サラワク・センドリアン・ベルハッダ社(CSSB社)が共同受注したプラント建設プロジェクトの契約相手方による国際商業会議所(ICC)仲裁の仲裁判断の一部取消の申立てに関して判決を下した。
千代田化工建設の発表によると、同プラント建設プロジェクトに関する損害賠償金請求についてICCは仲裁判断を下し、千代田化工建設側から相手方に約60億円、相手方から千代田化工建設側に約8億円の賠償を認める判断を示し、千代田化工建設側は約52億円の損失計上を見込んでいたが、相手側は2019年8月29日、千代田化工建設側への損害賠償金算定に係る仲裁手続きに不備があるとして、同仲裁判断の一部取り消し及び取り消しに伴い受領する損害賠償金の増額を求める申立てをシンガポール高等法廷に提起していた。
シンガポール高等法廷は、(1)仲裁手続きに不備を認定し、仲裁判断の一部取り消しを認めた (2)仲裁判断の一部を取り消したが、支払われる損害賠償額の増額を命じることはできないと認めた (3)仲裁判断において仲裁廷が行った算定の一部を変更するよう命じた――という。
千代田化工建設は2021年2月9日、「現時点で当該判決による将来損失は想定していないため、連結業績見通しに変更はない。今後の対応については、判決内容を精査し、訴訟代理人とも協議の上決定する」と記した。
CSSB社の概要は下記の通り。
【 名称 】千代田サラワク・センドリアン・ベルハッダ
【所在地】Suite E-13-10, Block E, Plaza Mont Kiara, 2, Jalan Mont Kiara, Mont Kiara,50480 Kuala Lumpur Malaysia
【代表者】宇田 耕太郎
【資本金】MYR1億1,800万(約30億4,800万円)
【事業内容】各種産業用設備等の設計・建設