日本貿易振興機構(JETRO)は2019年4月24日、地域ブランドを前面に出した市場開拓アプローチの有効性を把握するためシンガポールなど3地域で実施した「地域ブランド認知度調査」の結果を発表した。同調査は2013年以来6年ぶり2回目で、前回同様20~50代の男女250人にインターネットでアンケートを行った。
調査結果によると、シンガポールでは日本食品を購入・飲食する際の「産地」の優先順位は ①価格 ②鮮度 ③美味しさ・味・風味 ④品質 ⑤原材料・成分 ⑥ヘルシー ⑦衛生 ⑧安全性――に続く9番目と高くはなく、他の調査地域(香港、米国)と比較して「衛生」が強く意識されていることが分かった。
また、「産地名、地域ブランドを意識するか」尋ねたところ、「する」との回答は、前回調査時の86.0%から20ポイント減少し66.0%だった。ただ、認知されている産地名・地域ブランド数は、前回調査の23種53回答から、51種287回答へと大きく増加した。認知されているのは、産地名では北海道、東京、大阪、沖縄、神戸など、地域ブランド名では北海道ミルク、北海道ホタテ、北海道ラーメンなどで、前回調査結果同様「北海道」が深く浸透していた。
調査結果を受けてJETROは、「現地で既に一定程度浸透している一部産地・地域ブランドは、単体で売り込みを図っても効果が狙えるが、多くの産地、地域ブランドは引き続きジャパンブランドの下で各地産品の特色を出しながらブランド価値を高めていくことが期待される」としている。