米・総合不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)がまとめた投資分析レポートによると、2020年第3四半期のアジア太平洋地域の投資額は前期比35%増で、主要市場における投資活動は今年に入り最も活発だった。前年同期比では19%減だった。
JLLの調査によると、第3四半期の投資額は、経済活動が再開しつつある北アジア(韓国・中国・日本)市場がけん引した。物件別では、インダストリアル市場全体が好調で、投資額は前年同期比76%増。特に物流施設及びデータセンターの取引がけん引し、日本の総投資額の70%、中国の31%を占めた。
アジア太平洋地域におけるオフィス取引は同比35%減、リテールは同比51%減、ホテルは同比87%減だった。
また、2020年上半期は個人投資家が中心で、大型の投資主体は慎重姿勢を示し様子見状態だったが、第3四半期は回復への期待がより高まるにつれて機関投資家層が市場に戻ってきたことが取引活発化を下支えしたと分析した。資金調達コストが大きく低下したことも物件取得を後押しし、投資家の市場回帰を促したという。
同社アジア太平洋地域キャピタルマーケットリサーチヘッドのレジーナ・リム氏は「第4四半期は、賃貸集合住宅や回復がみられるシンガポール市場などアジア太平洋地域全体でより多くの投資機会がみられるだろう」と述べた。