山九は2020年7月31日、山九マレーシアが2021年3月1日にマレーシア最大港であるポートクラン港ウエストポート内に「アジア・ハブセンター」を開設すると発表した。
同センターは同日に開設する物流センター(70,320㎡)の一部を借りて運営する。山九マレーシアの倉庫スペースは20,000㎡。FTZ(自由貿易区)内に位置しているため非課税で、非居住者在庫や保管中の転売、荷姿変換など可能であるほか、輸出入手続きの免除など、荷主はコスト削減とリードタイム短縮できるという。
近年マレーシアでは、税関による保税運送手続きの厳格化の動きが進み、ハブ機能型倉庫はFTZ内の立地が必須となる可能性が高まっているという。
また、山九マレーシアは倉庫開設に先駆け、同港のターミナルオペレーターWest Port社と5月29日に契約を締結し、6月1日よりTSP(Transshipment Staged Post)サービスの提供を開始した。
同サービスによりコンテナヤードにデバンしない状態で荷物を優遇条件で保管することができ、一定のフリー期間を設定し、保管期間中に最終仕向け地を選択することが可能になったという。
今後は、港での在庫期間が短い貨物はTSPサービス、長期保管が見込まれる貨物はアジア・ハブセンターを活用し、アジア域内のサプライチェーン再構築のニーズに対応するとしている。
ウエストポートでTSPサービスを提供できる国際海上フォワーダーは山九のみという。
なお、ポートクラン支店に変更はない。
シンガポールの山九東南アジアホールディングスは、山九マレーシアの株式40%を保有している。
「アジア・ハブセンター」の概要は下記の通り。
【 名称 】アジア・ハブセンター
【 住所 】Lot 55711, CT8 Back of Terminal (BOT) Westport, 42009 Pulau Indah, Port Klang, Selangor Darul Ehsan, Malaysia
【 開設日 】2021年3月1日
【倉庫面積】20,000㎡ 平屋(高床式)
【 要員 】36人(日本人1人)