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中外製薬、シンガポール科技研庁機関と対COVID-19抗体医薬品の共同研究開始

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中外製薬の完全子会社で在シンガポール研究拠点である中外ファーマボディ・リサーチ(CPR)が、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)とともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体医薬品の共同研究を開始した。中外製薬が2020年5月8日発表した。

共同研究は、A*STAR生物医学研究評議会の研究機関シンガポール免疫学ネットワーク(SIgN)において、シニア主席研究員Cheng-I Wang博士率いる研究チームが発見したCOVID-19の治療薬候補となりうる抗体に関するもので、リード抗体は多様性の高い人工ヒト抗体ライブラリから取得され、COVID-19を引き起こすコロナウイルスに対する中和能を示しているという。

CPRは、抗体の最適化を進め、独自の抗体エンジニアリング技術を適用することで、開発候補抗体を作製する。

同社担当者はシンガポール新聞の取材に対して「CPRには日本人も在籍しており、研究にも携わる。未だ研究の早期段階であるが、COVID-19による世界的危機に鑑み、最速で臨床試験を開始できるようあらゆる選択肢を検討していく」と回答した。

現在、武田薬品など他社もCOVID-19の抗体医薬品開発に取り組んでいる。

SIgNは2006年発足。主に感染症、免疫、がん免疫、炎症領域を推進、ヒト抗体および臨床免疫モニタリングプラットフォームなど最新技術に基づく研究を行っており、医療機関および産業界との協働による研究成果の臨床的、経済的応用に注力している。

A*STARと中外製薬はこれまで、デング熱に対する共同研究プロジェクトを実施したことがある。

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