アジア開発銀行(ADB)は2020年3月5日、シンガポールに新事務所を正式に開設した。
浅川雅嗣総裁と、シンガポールのヘン・スイキャット副首相兼財務大臣は、アジア太平洋地域全体の気候変動への取り組み、質の高いインフラストラクチャの整備などで、ADBシンガポール事務所とシンガポール政府が協力を強化することで合意した。
ヘン副首相兼財務大臣は「ADBは2030年までにアジアの発展途上国がインフラ投資に年間1.7兆ドルを必要とすると見積もっている。そして、シンガポールは2018年にインフラストラクチャアジアを設立し、ADBのような志を同じくするパートナーと協力している。シンガポールにプレゼンスを確立するというADBの動きを心から歓迎する。金融やサービスエコシステムとの相乗効果により、ADBはインフラに対する地域の莫大な需要に応えるうえで、さらに重要な役割を果たすことができる」と述べた。
シンガポール事務所は12人の専門家で構成し、インフラストラクチャ、アグリビジネス、健康と教育、貿易などの分野への融資を促進する。