三井海洋開発(MODEC)は2019年8月15日、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(Floating Production, Storage & Offloading system:FPSO)のチャーター事業資金調達基盤の多様化戦略の一環として、関連会社がFPSOチャーター事業1件についてプロジェクトボンドを発行したと発表した。債権はシンガポール証券取引所に上場した。
三井海洋開発グループは、FPSOのEPCI(設計・資材調達・建造・据付)からチャーターサービス (リース及び運転・保守点検等のオペレーション)まで一貫して手掛け、FPSO業界世界2強の地位にある。
同プロジェクトボンドは、ブラジル国営石油会社Petróleo Brasileiro S.A.(ペトロブラス社)がオペレーターを務めるブラジル沖合プレソルト層Iracema Sul鉱区開発用の"FPSO Cidade de Mangaratiba MV24"の20年間チャーター事業に対して発行された。
同FPSOは、三井海洋開発、三井物産、商船三井、丸紅の4社が出資するCernambi Sul MV24 B.V.が保有し、ペトロブラス社(65%)、Royal Dutch Shell plc(25%)及び Petrogal Brasil S.A.(10%)の3社コンソーシアムに固定価格で長期チャーターされている。
同FPSOの長期チャーター事業の必要資金は、Cernambi Sul MV24 B.V.を構成する4社それぞれの自己資本及び金融機関からのプロジェクトファイナンスにより調達してきたが、そのリファイナンスとして同プロジェクトボンドを発行した。11億米ドル(約1,166億円)というメガボンドであるにもかかわらず、募集金額の約2倍の応募があったという。
発行条件等の概要は下記のとおり。
【発行者】MV24 Capital B.V.
【保証人】Cernambi Sul MV24 B.V.
【発行額】1,100百万米ドル
【 年限 】14.8年
【 金利 】年6.748%
【償還期日】2034年6月1日
【発行日】2019年8月12日
【資金使途】既存借入金の返済、発行諸費用、株主宛配当等に充当
【上場市場】シンガポール証券取引所
【取得格付】BB(S&P)、BB(Fitch)
【引受証券会社】Citigroup(グローバル・コーディネーター)/Citigroup/Mizuho Securities/Morgan Stanley/SMBC Nikko(ジョイント・ブックランナー)