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第2四半期シンガポール活発化、JLL世界の商業不動産投資分析レポート

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米・総合不動産サービス大手ジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)がまとめた投資分析レポートによると、2019年上半期の世界の商業用不動産投資額は前年同期比9%減の3,410億米ドル、2019年第2四半期の投資額は前年同期比9%減の1,740億米ドルだった。アメリカ大陸とEMEA(欧州、中東、アフリカ大陸)で投資額が減少したことが背景にある。一方、アジア太平洋地域の2019年上半期の投資額は前年同期比6%増の860億米ドル、第2四半期の投資額は前年同期比2%減の410億米ドルだった。第2四半期の投資額は若干減少したものの、2019年第1四半期の活発な投資活動を背景に上半期の投資額は3地域で唯一増加した。中国における投資額が増加し、韓国、シンガポールからのクロスボーダー投資が活発だった。

商業用不動産投資額 2018年第2四半期-2019年第2四半期

2019年第2四半期の都市別投資額は、1位ニューヨーク(144億米ドル)、2位東京(117億米ドル)、3位パリ(116億米ドル)、4位上海(109億米ドル)、5位ソウル(106億米ドル)となった。イギリスのEU離脱問題の先行き不透明感から、欧州への投資資金はロンドン(7位、91億米ドル)からパリにシフトしている。シンガポールは前年上半期の22位(35億米ドル)から大きく順位を上げ、9位(65億米ドル)に入った。

2019年上半期 投資活動が最も活発な10都市

シンガポールの2019年上半期の商業用不動産投資額は前年同期比で約2倍に増加。2019年第2四半期には、71ロビンソンロード・オフィスやシェブロンハウスの取引など大規模オフィスビルの取引がみられ、2019年上半期の投資額のうちオフィスビルの取引が約46億米ドルを占めた。JLLは「今後もテクノロジー企業や金融機関、コワーキングオフィスオペレーター企業などからの強いオフィス需要が下支えし、シンガポールのAグレード(優良)オフィス賃料は上昇すると予測される。好調な市況を背景に、オフィスビルの売却(または一部の売却)を検討する売主もでてきていることから、売主と買主双方の旺盛な需要により、今後もオフィスへの投資は増加すると見込まれる」としている。

JLLは、世界の2019年通年投資額の見通しを前年比5〜10%減の約7,300億米ドルと予測している。

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