製造(半導体) 進出・出資・撤退

テクセンドフォトマスク、シンガポール東部に新工場建設、「主要顧客に近接」

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テクセンドフォトマスク(本社:東京都港区)は2025年10月31日、シンガポール東部に建設する新工場の起工式を行った。式典には、石川浩司シンガポール大使、Alvin Tan貿易産業省および国家開発省担当国務大臣はじめシンガポール政府関係者が出席した。

シンガポールでは政府の積極的な支援のもと、半導体関連産業の集積と生産能力の拡大が進んでいる。新工場は、シンガポール東部の工業地帯に位置し、▽主要顧客との近接性 ▽材料供給の効率化 ▽国際物流の利便性――に優れている。フォトマスク製造に不可欠な材料を供給するHOYAなどの材料メーカーの拠点に近接し、原材料の安定供給と在庫管理の最適化が図れるという。テクセンドフォトマスクは、東南アジアおよびインド市場の成長の取り込みを目指す。

シンガポール新工場イメージ

テクセンドフォトマスクの二ノ宮照雄代表取締役社長執行役員CEOは「シンガポールには現在、フォトマスク製造拠点が存在せず、周辺地域の半導体前工程の強化を見据えた重要な拠点となる。新たな取組みとして、AIによる日程計画や製造ラインの自動化にもチャレンジする」とコメントした。

シンガポール経済開発庁(EDB)のLim Wey-Len執行副社長は「テクセンドフォトマスクによる今回の投資は、シンガポールが先端半導体製造において信頼できる魅力的な国として確固たる地位を得ていることを強く示すものだ。シンガポール唯一のフォトマスク製造拠点として、現地半導体エコシステムの活性化に寄与し、グローバル半導体サプライチェーンにおける重要な拠点としてのシンガポールの地位を強化するだろう」とコメントした。

テクセンドフォトマスクは、半導体用フォトマスクの製造・販売会社として、凸版印刷(現TOPPANホールディングス)からの会社分割により設立され、2022年4月より営業を開始した。シンガポールの新工場は9カ所目の製造拠点となる。「新工場は、製造・物流・顧客対応のすべてにおいて戦略的に最適な立地にあり、中長期的な成長戦略を支える重要な拠点となる見込み」としている。

◇テクセンドフォトマスク シンガポールサイト
【  所在地 】30 Tampines Industrial Avenue 3 Singapore
【敷地面積】15,200㎡
【延床面積】8,849.53㎡
【 起工 】2025年10月31日

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