進出・出資・撤退

パイオニア、CarUX社が株主に、「業界に前例のない統合型の価値製品を提供」

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パイオニアと、台湾を拠点とする世界有数のディスプレイメーカーInnolux Corporationの子会社でスマートコックピットディスプレイソリューションの設計・開発・製造事業のCarUX Holding Limited(本社・シンガポール)は2025年6月26日、投資会社のEQTが保有するパイオニアの全株式をCarUX社が取得することで合意した。同日発表した。

CarUX社はシンガポールに本社を置き、アジアに製造およびオペレーション拠点、欧州およびアジアに4つのR&Dセンターを展開している。ティア1サプライヤーとして20年以上の実績を持ち、世界の主要自動車OEMと長年にわたってパートナーシップを築いている。

同株式譲渡の完了後、パイオニアはInnolux社グループの新たなメンバーとしてグローバルでさらなる成長を目指す。パイオニアとCarUX社は、統合型コックピット(サウンドソリューションを含む)およびハードウェア・ソフトウェア統合強化に焦点を当てた開発で協業し、グローバルな自動車業界および消費者の変化するニーズに対応するため、より包括的な製品ラインアップと顧客体験の提供を目指す。

パイオニアのサンジェイ・ダワン取締役会長は「自動車業界は現在、かつてない規模のデジタル変革のただ中にあり、車両におけるデジタルコンテンツの比率は約27%から約40%へと拡大している。ソフトウェアは、クルマの中核的な構成要素として、その重要性を一層高めている」とコメントした。

パイオニアの矢原史朗代表取締役社長兼社長執行役員は「CarUX社は車載向けスマートコックピットディスプレイおよびソリューションに関するグローバルな知見と実績を持つ。CarUX社と共に、業界に前例のない統合型の価値製品を提供できると信じている」とコメントした。

EQTプライベート・キャピタルのパートナーであるシェーン・プリディーク氏は「パイオニアと、CarUX社およびその親会社であるInnolux社との間には大きなシナジーがある。EQTは、企業の責任あるオーナーとして、築き上げたモメンタムを次の成長フェーズへとつなげられる新たなオーナーへとバトンを渡すことを重視している」とコメントした。

Innolux CorporationのJim Hung会長兼CEO(CarUX社会長)は「この戦略的な買収は、CarUX社の製品と技術的な能力を拡大するだけでなく、Innolux社が自動車ディスプレイソリューションを超えた統合型スマートコックピットサプライヤーへの積極的な移行を象徴するものだ」とコメントした。

同株式譲渡は、所定の条件および関係当局の承認を経て、2025年第4四半期(2025年10月-12月)までに完了する見込みという。

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