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Kyoei Tanker Singapore社、所有する油送船のメキシコでの停泊続く

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共栄タンカーの連結子会社Kyoei Tanker Singapore Pte.Ltd.が所有する油送船“Challenge Procyon”(チャレンジ・プロキオン)のメキシコでの停泊が続いている。“Challenge Procyon”は大手海運会社との貸船契約に基づく契約上の義務を履行するため、米国で超低硫黄ディーゼル油を積載して荷揚地であるメキシコまで航行、2025年3月21日に貨物の超低硫黄ディーゼル油の荷揚げを完了し、現地当局に対して出港許可を求めたが、6月20日に至るまで応答がなく、Kyoei Tanker Singapore社も6月20日までに現地当局から出港を許可しない旨の正式な通知やその理由に関する正式な説明を受けていないという。共栄タンカーが2025年6月20日発表した。

発表によると、Kyoei Tanker Singapore社は、現地弁護士と連携のもと、メキシコ当局に対して“Challenge Procyon”が直ちに出港できるよう許可を求めてきた。一方で、共栄タンカーは今回の件の性質及び現地当局との協議の経過等を踏まえ、乗組員の安全及び早期出港を最優先とするため公表を控えてきたという。しかし、現地当局との協議に加えて、司法手続きにおいても“Challenge Procyon”の出港許可を求めるため、Kyoei Tanker Singapore社が6月19日(現地時間)、タマウリパス州連邦裁判所において手続きを開始したことから公表した。同司法手続きにおいて、Kyoei Tanker Singapore社は裁判所に対し、“Challenge Procyon”の出港不許可の状態がメキシコ合衆国憲法に違反することの確認及び憲法上の保護を求めているという。

なお、現地報道や一部の海外報道によると、貨物の超低硫黄ディーゼル油の輸入手続きにおいて違法行為があったとして、メキシコ当局が捜査を行っているという。

共栄タンカーは「Kyoei Tanker Singapore社は違法行為に一切関与していない。また、Kyoei Tanker Singapore社は、これらの報道で言及されている人物や法人について一切の認識及び関係はない。Kyoei Tanker Singapore社は“Challenge Procyon”の所有者として、契約に基づく義務を履行するため、貨物の超低硫黄ディーゼル油を米国からメキシコまで運送したものであり、メキシコ国内における税関申告、貨物の保管、その他輸入に関する業務には一切関与していない。Kyoei Tanker Singapore社は、船舶所有者として遵守すべきすべての法令をすべて遵守している。にもかかわらず、“Challenge Procyon”及び乗組員が今回の件に巻き込まれていることは遺憾だ」としている。

なお、“Challenge Procyon”は譲渡を予定しているが、譲渡予定に変更はないという。

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