日本郵船は2024年5月2日、大型原油運搬船(VLCC: Very Large Crude Oil Tanker)“TENJUN”によるバイオ燃料の長期使用試験航行を開始した。
“TENJUN”はシンガポールでバイオ燃料の供給を受けたあと、約3カ月間の航行を行い、バイオ燃料を長期間使用した際の安全性や安定調達などの総合的な検証を行う。
日本郵船はこれまで、ばら積み船や自動車専用船、液化石油ガス(LPG)船へバイオ燃料を供給、短期間から長期間にわたる安全航行のトライアルを実施してきたが、VLCCでの長期試験航行は初の取り組みとなる。
バイオ燃料は、廃食油などの生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、燃焼時の二酸化炭素(CO₂)排出量は実質ゼロとみなされる。重油焚き船舶エンジンでも使用可能なため、重油からゼロエミッション燃料への過渡期でGHGの排出を削減する有力な手段とされている。
◇“TENJUN”(天順)
【 全長 】333.00メートル
【 全幅 】60.00メートル
【総トン数】159,927トン
【載貨重量トン数】302,108トン
【 建造年 】2008年
【 造船所 】アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド造船所(広島県呉市)