NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社であるNIPPON EXPRESS(SOUTH ASIA & OCEANIA)PTE.LTD.は2023年9月20日~22日、マレーシアのクアラルンプールからパダンベサールまでマレーシア鉄道を利用した専用列車による鉄道貨物輸送のトライアルを実施した。
ASEAN地域では、域内各国の経済連携により拡大する国際物流需要と、購買力向上による消費財需要の高まりにより、サプライチェーンの再構築が検討されている。一方、気候変動問題や、トラックのドライバー不足、燃油費の高騰などの社会課題が発生しており、ASEAN地域でもカーボンニュートラル社会を実現するための具体的な取り組みや、輸送能力の増強が大きな課題となっているという。
NXグループは、上海からシンガポールの約7,000kmを結ぶ陸路輸送サービス「SS7000」を整備し、トラック輸送の定期混載サービスを提供している。また、世界各国でカーボンニュートラル社会を目指す動きが加速する中、2022年4月から中国とラオスを結ぶ国際鉄道を利用しASEANと周辺国を繋ぐ新たな複合輸送サービスを開始している。
そして、今回、さらなるCO2排出削減に貢献する物流サービスを開発するため、クアラルンプールとパダンベサール間において、専用列車によるトライアル輸送を行った。
マレーシアにおけるトライアル輸送の内容
NIPPON EXPRESSホールディングスの担当者はシンガポール新聞の取材に対し、「リードタイム、品質については、問題なく商品化できるレベルという評価であった。ただ、マレーシア鉄道から30両~40両の専用列車を仕立てることが要求されるため、往復荷量の確保とフレキシブル対応の構築が課題である。クアラルンプール~パダンベサール間のサービス化に向けてはマーケットの状況を踏まえ、オペレーション改善、環境対応など検討を進めている。サービス開始時期は未定である。今後、中国→ラオス→タイ→マレーシア、またその他国(ベトナム、カンボジア)での新規鉄道事業開発を目指していく」と答えた。