商船三井のシンガポールの子会社MOL Chemical Tankers Pte.Ltd.(MOLCT)とFairfield-Maxwell Ltd.は、MOLCTがFairfield-Maxwellのグループ会社Fairfield Chemical Carriers Pte.Ltd.の全株式を取得し、Fairfield Chemical Carriers社の事業をMOLCTが買収することに基本合意した。株式の譲渡価格は約4億米ドルとなる見込み。双方の取締役会において買収を決議済で、株式譲渡契約に定める諸条件に双方合意次第、株式譲渡契約を締結する。株式譲渡の実行は2023年第4四半期中を予定する。2023年9月12日発表した。
MOLCTは85隻の船隊に、Fairfield Chemical Carriers社が運航する36隻のケミカル船を加え、船隊を強化するとともに営業基盤の拡充につなげる。
MOLCTの佐々明CEOは「この買収はFairfield Chemical Carriers社の魅力ある船隊の獲得だけを目的としたものではない。ケミカル船業界において高く評価されている“Fairfield”ブランドとそれを築き上げてきた役職員との共創を通じてより大きな価値をもたらすことが出来ると信じている」とコメントした。
Fairfield-MaxwellのAnthony Dowd CEOは「Fairfield Chemical Carriers社はステンレスケミカル船のオペレーターとして業界で確固たる地位にあり、サービス網、品質、人財面で優位性がある。MOLCTグループへの参画は継続的な成長のためのリソースの確保につながる。この統合により両社のサービスに支障がでることないようしっかりと連携して対応していく」とコメントした。
MOL Chemical Tankers社は、約360人の役職員を擁し、シンガポール本社をはじめ、東京、コペンハーゲン、ロンドン、ロッテルダム、ヒューストン、スタンフォード、ボゴタ、ドバイ、釜山、上海の計11カ所に拠点を置いている。
Fairfield Chemical Carriers社グループは、約65人の役職員を擁し、米国コネチカット州ウィルトンの本社を始め、ダーバン、ロッテルダム、シンガポール、東京にも拠点を展開している。
なお、株式譲渡の実行は競争法上の関係当局による承認が条件となる。
MOL Chemical Tankers社の担当者はシンガポール新聞の取材に対応し、「買収後、当面の間はFairfield Chemical Carriers社をMOLCTの100%子会社として運営していく予定である。両社の拠点およびオペレーションの一体化については今後検討していく」と答えた。