岸田文雄首相は2023年5月5日午前11時(日本時間正午)から約75分間、チャンギ国際空港でシンガポールのリー・シェンロン首相と首脳ワーキングランチを行った。
外務省(日本)の発表によると、冒頭、リー首相から昨年に続いての岸田首相のシンガポール訪問を歓迎する旨の発言があり、岸田首相からリー首相が空港まで出向きワーキング・ランチを主催されたことに対する謝意を述べ、国際社会が歴史的な転換点を迎える中、G7広島サミットを前に、リー首相と率直な意見交換を行いたい旨述べた。
また、岸田首相から、昨年のシンガポール訪問時にリー首相から授与された新種の蘭(デンドロビウム・キシダフミオ)の一株が、広島市植物公園で見事に開花したことを紹介し、リー首相から大変嬉しい旨の発言があった。
地域及び国際社会の諸課題に対する協力に関しては、岸田首相から、「自由で開かれたインド太平洋」の新たなプランについて説明を行い、リー首相から、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持は重要である旨の発言があった。
また、両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略や、東シナ海、南シナ海情勢等について意見交換を行いつつ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、引き続き協力していくことで一致した。
二国間関係に関しては、両首脳は、デジタル分野に関する両国間の専門家会合が開催されたことを歓迎しつつ、引き続き同分野での連携を追求していくことで一致した。
また、岸田首相から、スタートアップやサプライチェーンの強靱化といった分野での協力、「アジア・ゼロエミッション共同体」構想を進展させるための協力を進めていきたいと述べた。
また、岸田首相から、日本の安全保障政策について説明し、リー首相から、地域における日本の役割を期待する旨の発言があった。
また、岸田首相から、日・シンガポール防衛装備品・技術移転協定交渉の大きな進展につき言及し、引き続き、安全保障・防衛協力を強化させていきたい旨述べた。
これらを受け、リー首相から、二国間関係での様々な分野での協力の進展を歓迎しており、引き続き、協力を深めていきたい旨の発言があった。
また、両首脳は、本年の日ASEAN友好協力50周年を念頭に、12月に東京で開催予定の日ASEAN特別首脳会議に向けて連携していくことを確認した。