JERAは2023年4月28日、2022年度(2022年4月1日~2023年3月31日)連結決算を発表した。なお、今回決算から国際財務報告基準(IFRS)を適用している。
売上収益は、電力販売における収入単価が上昇したこと等により、前年度比1兆9,687億円(71.1%)増の4兆7,378億円となった。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、LNGスポット調達影響等による減益要因があったものの、シンガポールの燃料トレーディング子会社JERA Global Markets Pte.Ltd.(JERA GM社)の増益や燃料費調整の影響による損失が縮小したことなどにより、3年ぶりの増益となる前年度比121億円(214.4%)増の178億円となった。
燃料費調整の影響を除いた当期利益は前年度比482億円(19.4%)減の2,003億円という。
2023年1月時点で、燃料費調整の影響を除いた通年の業績見通しを当期利益3,000億円と発表していたが、2,003億円で着地したことについて、吉田哲臣グローバルIR部長は「一番大きな原因は石炭等の期末評価損益が大きく出たためである。JERAは販売電力価格が燃料価格の振れに大きく影響されないようにデリバティブ契約で価格の変動抑制をしている。この取引は、JERAがJERA GM社とデリバティブ契約をし、JERA GM社を通してヘッジを行う形を取っている。このデリバティブの評価損益が石炭価格が期末にかけて大幅に下落したことに伴い損失を約700億円計上したことにより、見通しから大きく下方修正した結果になった」などと説明した。
2023年度の業績見通しについては、親会社の所有者に帰属する当期利益を3,000億円とした。