IHIは2022年10月26日、マレーシア国営石油ガス会社Petroliam Nasional Bhd(ペトロナス社)の子会社でクリーンエネルギー事業を担うGentari Hydrogen Sdn.Bhd.(GHSB社)と、マレーシアにおいて再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造・販売の事業性を検討・調査する覚書を締結した。12月15日発表した。
太陽光発電の適地であるマレーシア・ジョホール州を候補地としてグリーンアンモニアを製造し、発電・船舶用燃料供給を目的とした現地での利用および日本・アジア市場への輸出を行うアンモニア販売事業を検討する。
IHIは主に技術的検討と日本での需要調査を担当し、GHSB社はマレーシアにおける再エネ供給や各種設備に関する諸条件設定および需要調査を担当する。2023年初頭まで事業性評価を行った後、2026年の商業プラント完成および運転開始を目指す。
IHIは、「本調査事業を通じて、マレーシアにおけるアンモニアの多様な利用モデルを示すとともに、将来の需要増大へ対応する燃料アンモニアサプライチェーンの構築を進めることで、日本及びマレーシアにおける燃料アンモニア社会実装の早期実現を目指す」としている。
IHIの担当者はシンガポール新聞の取材に答え、「ジョホール州は、水力発電などに由来する再エネ電力の入手が容易という点もある。“グリーンアンモニア”は再エネ電力の確保という側面が重要になる」と補足した。