気候変動(低・脱炭素) 進出・出資・撤退

農林中金イノベーションF、東南アでバイオ炭生産を支援するWasteX社に出資

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グローバル・ブレインが運営する農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(NCIF)は、シンガポールを本拠に東南アジアでバイオ炭の生産やカーボンクレジットの獲得・販売を支援するWasteX Pte.Ltd.へ出資を実行した。出資額、出資後の持株比率は非開示。2023年3月31日発表した。

WasteX社は2022年5月設立。農業生産者や農場に対して、バイオ炭の生成による生産性の改善やカーボンクレジットの獲得・販売という新しい収入源の創出支援を行っている。また、独自開発した炭化装置の製造・販売とともに、利用者の導入や実行を成功させるための一連のサービスも提供しているという。

グローバル・ブレインは、東南アジアの農業生産者に新たな仕組みを提供するWasteX社のコスト効率が高い独自のソリューションを高く評価し、出資を決めた。WasteX社の事業成長に貢献できるよう農林中央金庫とともに積極的に支援していくとしている。

グローバル・ブレインの担当者は、シンガポール新聞の取材に対し、「WasteX社は既に複数社から受注がとれていて、フィリピン、インドネシアなどの地域でPOCに取り組んでいる。2024年前半にPOC完了し、この新たなWaste-to-Valueのビジネスモデルの実現性を証明する予定だ。バイオ炭生成する熱分解装置の更なる改良・開発も進めており、将来の大規模展開に向けた準備に着手している」「(出資により)農林中金/JA Groupとのシナジー創出を構想している。カーボンクレジットの発行・売却を通じた追加収入の獲得、バイオ炭の農地施用を通じた生産量・生産品質の向上、およびバイオ炭の売却収入の獲得といった手段で生産者所得の向上を図る。WasteX社の強みである初期投資を抑えたうえでの分散型小規模装置の市場性をスタディしつつ、日本国内展開における適用可能性を精査する予定である。日本国内展開パートナーとしての協業余地を模索していく」と答えた。

◇WasteX Pte.Ltd.
【所在地】シンガポール
【代表者】Pawel Kuznicki
【設立日】2022年5月
【事業内容】農業廃棄物から価値を創出するソリューションを提供

◇農林中金イノベーション投資事業有限責任組合(NCIF)
【無限責任組合員】グローバル・ブレイン

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