シンガポールを本拠とするAAIC Investment Pte.Ltd.(代表・椿進)は、エジプトのカイロに本社を置き、PBM(Pharmacy Benefit Management、薬剤給付管理)サービスを展開するYodawy社に対し、Africa Innovation & Healthcare Fund(AHF2号)を通じ出資を行った。出資額、出資後の持株比率は非開示。2023年2月21日発表した。
Yodawy社は、戦略コンサルティングファームやソフトウェアエンジニアとして経験を積んだエジプト出身の3人が2018年に創業した。現在、保険会社20社、薬局3,000店舗以上、法人顧客300社と提携、医療機関、患者など様々な利害関係者の間に立ち、医薬品のコストや薬物治療管理の観点からPBM事業を展開し、処方箋のデジタル化、保険処理の自動化、薬の配送のスピードアップ等を実現しているという。
AAICはAHF2号を通じ、Yodawy社の特に慢性疾患の患者向けサービスの成長と他国展開支援を目的に出資した。
Yodawy社の資金調達額は、今回のシリーズB投資ラウンドにより、累計で24.5百万USDに達し、エジプトを主な事業展開国とするヘルスケアスタートアップとしては2番目の規模になった。
エジプトでは、処方箋や保険請求書の90%以上が手書きで行われていて薬局には長蛇の列ができており、また保険会社では共有されたデータの入力ミスによる未払いなど非効率が散見され、投薬順守率にも影響を与えている状況があるという。
◇Yodawy社
【本社所在地】ギザ(エジプト)
【 代表者 】Karim Khashaba
【 設立 】2018年
【 事業内容 】エジプトにてオンラインで医薬品購入できるプラットフォームを運営。処方データをデジタル化し、一元管理し、さらに保険会社とも連携し、薬剤給付の適正管理と正確な保険適用を促進する。現在、エジプトの38都市に展開。データを活用し、処方箋のタイムリーな補充、無料の配送、薬剤師による24時間のオンコール対応などのサービスも提供している。