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アステリア、投資方針をM&Aに転換、シンガポール法人内にファンド分室を設置

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ソフトウェア開発・販売等のアステリア(東京都渋谷区)は2023年3月10日、企業投資の方針転換を行うと発表した。2022年9月公表した第2号企業投資ファンドAsteria Vision Fund II L.P. (AVF-II)の組成を取りやめ、直接投資による企業買収(M&A)に注力する。

アステリアグループは、2019年2月に投資子会社Asteria Vision Fund Inc.(AVF)を米国に設立。傘下の投資ファンドAsteria Vision FundⅠL.P.(AVF-I)で企業投資事業を展開し、2022年9月にはAVF-Iの投資益を基盤とする30~40百万米ドル規模のAVF-IIの組成計画を発表していた。

2022年以降の世界情勢や米国金利の上昇などにより世界的に株式市場は軟化し、為替相場も不安定となり、景気後退の懸念も増加するなど、企業投資事業を取り巻く環境は変化しているが、一方で世界的に企業価値も低下傾向であることから、投資先企業の成長に基づく利益獲得を目指した投資ファンドの組成から、グループの事業規模拡大を企図したM&Aが有効と判断したという。

これに伴い、AVFのミッションにM&Aを追加するとともに、シンガポール法人Asteria Technology Pte.Ltd.内にAVFの分室を設置し、東南アジア・南アジアでの活動を強化する。

アステリアの担当者はシンガポール新聞の取材に対し「シンガポール法人内のAVF分室は2023年4月に設置し1名の配属を予定している。重点投資領域は『D4G』(Data, Device, Decentralized, Design for Green)で、アステリアグループが手掛ける事業とのシナジーをグローバル規模で追求することを企図している。東南アジアでの買収企業、出資先企業の選定においてもITをターゲットにリサーチ活動を行っていく」と答えた。

なお、企業投資の方向転換が2023年3月期の業績に与える影響は軽微という。

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