横河電機は2023年1月11日、インドで循環型の廃棄物処理事業を手がけるシンガポールのベンチャー企業Ideation3X Pte.Ltd.(創業会長:Dr.Manoj Jain)に対して1千万米ドルのシリーズB出資を行った。また、2022年12月末に業務提携契約を締結しており、1月11日より業務提携を開始した。横河電機は統合的廃棄物管理(ISWM:Integrated Solid Waste Management)という成長領域を梃子にインド事業の拡大を目指す。
Ideation3X社は2017年設立。創業段階から日本のプライベート・エクイティ投資会社ユニゾン・キャピタル・グループによる支援を受けてきた。廃棄物から高品質の代替燃料を製造する手法をはじめISWMの領域で独自のノウハウを持ち、既にニューデリーを含むインドの3都市で廃棄物処理に関するプロジェクトを受託しているという。
インドでは現在モディ政権が各都市の環境改善を目指す「クリーン・インディア・ミッション」を推進中で、2030年までにインド全域に約3,000カ所存在するごみ廃棄場を衛生的に処理し、同時に循環型の廃棄物処理モデルを確立することが目標の一つとなっている。
同政策を実行する過程では、従来の廃棄物処理施設に加えて、廃棄物から代替燃料を製造するプラントや、その代替燃料から電力を作り出す小規模の火力発電所などが必要になると見込まれている。
横河電機は、1987年にインド現地法人を設立し、エネルギー産業のプラント向け制御システムや上下水道の監視システムなどを受注してきた。また、世界各地で廃棄物発電施設の制御システムに関して実績を積んできた。「今回のIdeation3X社への出資を契機として、インド市場に適した循環型のISWM事業の仕組みづくりに貢献し、保有する計測と制御の技術力を活用して、クリーン・インディア・ミッションの達成を支援していく。Ideation3X社の事業を技術面から支援しつつ、コンソーシアムの組成も視野に、関連機関や各企業との協議を進めていく」としている。
◇Ideation3X Pte.Ltd.
【 本社 】10 Cuscaden Walk, Four Seasons Park Singapore.
【 設立 】2017年
【創業会長】Dr. Manoj Jain
【従業員数】約200人
【事業内容】廃棄物からの代替燃料製造、循環型の廃棄物処理事業