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ミシュラン・DHL、シンガポールでエアレスタイヤ装着車両運行、年内に約50台

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ミシュランは、DHL Expressと提携し、2023年1月10日シンガポールで、エアレスタイヤ『ミシュラン アプティス・プロトタイプ』(アプティス)を装着したDHL車両の初運行を実施した。2023年末までにシンガポールで約50台のDHL車両がアプティスを装着しラストマイル配送を行う予定。ミシュランは2019年6月、「乗用車向けエアレスタイヤを2024年に一般市場に投入」と発表したが、今回、DHLが試験採用したことで、予定より一年早くラストマイル配送市場での最初の一歩を踏み出す。日本ミシュランタイヤ(東京都新宿区)が1月26日発表した。

エアレスタイヤ「ミシュラン アプティス・プロトタイプ」を装着してシンガポールを運行するDHL車両

アプティスは乗用車・ライトバン用のエアレスタイヤで、構造やハイテク材料およびホイールアセンブリーにより、タイヤのパンクや破裂などの運行上の大きなリスクを取り除き、空気圧補充や点検も不要などメンテナンスの負荷も大幅に軽減できる。

現在、世界中のタイヤの約20%がパンク、路上の障害物による損傷、偏摩耗を引き起こす不適正な空気圧などにより、寿命よりも早い段階で廃棄されていると言い、ミシュランはアプティスのエアレス技術により年間最大2億本のタイヤまたは200万トンの原材料の早期廃棄を防ぐことができると予測している。

ミシュランのOEM事業ディレクターであるBruno De Feraudy氏は「アプティスは、タイヤ構造とハイテク材料の約50件の特許でより安全なモビリティと環境保全に貢献するミシュランの能力を実証した。DHLからの信頼を受け、予定より1年早くアプティスをフリートに装備出来たことを嬉しく思う」とコメントした。

シンガポールDHLのマネージングディレクターであるChristopher Ong氏は「ミシュランと提携し、グリーン物流のパイオニアとして、シンガポールの車両でエアレスタイヤを試せることに興奮している。両社のコラボレーションによるラストマイル配送のグリーン化は、DHLネットワーク全体のCO2排出量正味ゼロ達成に向けた新たなマイルストーンになる」とコメントした。

日本ミシュランタイヤの担当者はシンガポール新聞の取材に対し「DHLの業務生産性向上にもたらすメリットを基に、アプティスを装着するDHLの既存車両約50台分の包括的な製品及びサービス契約を締結した」「タイヤの技術基準は空気入りタイヤを前提としており、エアレスタイヤは未だ公道走行できないが、シンガポール、ラスベガス、タイ等では特例認可があり、今回の試験採用はエアレスタイヤ実用化に向けた大きなステップとなる。現在、メーカーから政府機関までタイヤ関係者がエアレスタイヤの規格定義や認証開始に向けて動いており、ミシュランも当局と協力しエアレスタイヤの普及に努めている」と答えた。

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