気候変動(低・脱炭素)

JERA、タイ発電事業大手EGCOとアンモニア混焼の共同検討開始で覚書締結

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JERAは2023年1月12日、タイで行われた日本・タイエネルギー政策対話において、シンガポール子会社JERA Asia Pte.Ltd.を通じて、タイの発電事業大手Electricity Generating Public Company Limited(EGCO)とEGCO事業の脱炭素化に向けたアンモニア混焼の共同検討を開始する覚書を締結した。

覚書締結式 (左から)タイ・エネルギー省のKulit Sombatsiri事務次官(EGCO Chairman)、BLCP Power LimitedのYuthana Charoenwong Managing Director、Banpu Power Public Company LimitedのKirana Limpaphayom Chief Executive Officer、EGCOのThepparat Theppitak President、JERAの久玉敏郎常務執行役員(JERA Asia Private Limited,Chief Executive Officer)、三菱商事の中村有宏インフラEPC室室長、三菱重工業の石井弘実プラント計画部部長、経済産業省・資源エネルギー庁の小林出 国際資源エネルギー戦略統括調整官 ※提供・JERA

同覚書では、▽EGCOが出資参画する石炭火力発電所におけるアンモニア混焼の実現可能性 ▽水素・アンモニアの活用を通じたカーボンニュートラルに向けたロードマップの策定 ▽タイ国内における水素・アンモニアサプライチェーンの構築 ▽タイ国内におけるCCUS機会の模索――を定めた。

特に、アンモニア混焼について、BLCP石炭火力発電所(143.4万kW)での最大20%混焼に向け、その技術適用や経済性評価、CO2削減計画などを三菱重工業、三菱商事、EGCO、Banpu Power Public Company Limited、BLCP Power Limitedと共同で検討する。

JERAは、碧南火力発電所(愛知県碧南市)における燃料アンモニア20%混焼技術の確立や、三菱重工と共同でアンモニア混焼率50%以上に向けた実証事業の取り組みに加え、アンモニアや発電所の運用に関する知見を活用することでタイの脱炭素化に貢献する。

JERAの担当者はシンガポール新聞の取材に対して、「JERAは、三菱商事、九州電力との合弁会社を通じてEGCOに出資しており、JERAとEGCO間には深い繋がりがある。また、BLCP Power Limitedは、EGCOおよびBanpu Public Company Limitedが50%ずつ出資する合弁会社であり、BLCP発電所の運営を担っている。日本・タイ政府は、2022年1月に電力や燃料アンモニアの脱炭素技術を含むエネルギーパートナーシップ実現に関する協力覚書を締結しており、これを踏まえてタイの石炭火力であるBLCP発電所に関して関係企業で議論を重ねてきた」と背景を説明した。

タイは、国家エネルギー計画で、2050年のカーボンニュートラルおよび2065年のネットゼロ達成を宣言している。

◇BLCP発電所
【事業会社】BLCP Power Limited
【  所在地 】タイ ラヨーン県(バンコク東約170km)
【発電出力】1,434MW
【発電方式】亜臨界圧石炭火力発電(微粉炭燃焼方式)
【 燃料 】石炭
【運転開始】1号機:2006年10月、2号機:2007年2月
【  出資者 】EGCO(50%)、Banpu Power Public Company Limited(50%)

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