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農林水産省、シンガポールの水産・林産物等輸入規制撤廃に向け働きかけ強化

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農林水産省など4省1庁は2019年5月17日、放射性物質に係る東北地方産食品の輸入規制措置を維持するシンガポールを含む23カ国・地域への働きかけを強化し、更なる緩和又は撤廃を目指すとの今後の対応方向を発表した。シンガポールは現在、福島県産水産物や林産物などの輸入を禁止している。

福島県沖では2017年約5万3,000トン(日本全体の1.6%)、金額にして100億円(同0.7%)が水揚げされた。2018年のシンガポール向け水産物の輸出額は50億円で、農水省担当者は「単純に試算すると(輸入が解禁されれば)マグロ、カツオ、サバなど3,500万円相当の輸出機会が創出され、東日本大震災の被害が深刻な福島県漁業者を裨益することが期待される。海洋のモニタリング検査結果に問題がないことも公表しており、安全性は担保されている」と説明する。

シンガポールは、水産物以外では、福島県産の林産物(野生の収穫物や栽培キノコ、食品に限る)及び福島県内7市町村産の全農産物・食品の輸入を禁止している。7市町村では、南相馬市をはじめとする一部の避難指示区域を除き、農産物・食品を生産しており、国内流通もしている。同担当者は「農産物・食品についても適切なモニタリング検査等により安全性に問題はないことから、科学的根拠に基づく1日も早い規制撤廃を望むとともに、シンガポール政府及び国民の皆様にご理解いただけるよう、粘り強く説明を続けたいと考えている」と答えた。

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