三菱重工業は、シンガポールの電力大手Tuas Power Generation Pte.Ltd.(チュアスパワー社)が運営するM701F形ガスタービン4台からなるガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備のうち、3・4号機のアップグレード工事を受注した。受注金額は非開示。工事完了は2023年内を予定する。2022年11月30日発表した。
チュアスパワー社の発電所はシンガポール南西部に位置し、三菱重工は2001年以降累計4台のガスタービン(出力:36万kW/台)を納入している。
発表によると、シンガポール政府のエネルギー政策に基づいてチュアスパワー社が進めるエネルギー効率の改善と脱炭素化に向けた有効策として、三菱重工の実績を踏まえた改造提案が評価された。
アップグレード工事では、最新のガスタービン技術を導入し、冷却空気量を削減することにより熱効率の向上に結び付け、2系列合計で年間約1万6,900トンのCO2排出量を削減できるという。
三菱重工グループのシンガポール現地法人Mitsubishi Power Asia Pacific Pte.Ltd.の大野修代表取締役兼CEOは、「三菱重工は、チュアスパワー社に発電設備を納入するだけでなく、長期保守契約の提供を通じて設備の高い稼働率の実現を支援してきた。長年の関係を発展させ、シンガポールでのクリーンな発電の推進を支える重要なガスタービンのアップグレード工事を受注し、設備の資産価値向上に貢献できることを光栄に思う」とコメントした。
三菱重工業の担当者はシンガポール新聞の取材に対し「1、2号機のアップグレード工事については現在、協議中である」と回答した。