大和ハウス工業(大阪市)は2021年11月26日、シンガポールの100%子会社Daiwa House Asset Management Asia Pte.Ltd.が不動産投資信託(REIT)『Daiwa House Logistics Trust』を組成し、同日シンガポール証券取引所に上場した、と発表した。
発表によると、大和ハウス工業は2021年9月末時点で、日本国内各地で300棟以上、総延床面積1,090万㎡の物流施設を開発するとともに、グループの「大和ハウスリート投資法人」、「大和ハウスグローバルリート投資法人」、「大和ハウスロジスティクスコアファンド」等で日本国内不動産を中心に資産総額約1.7兆円のファンドを運用している。
Daiwa House Asset Management Asia社が資産運用業務を行う『Daiwa House Logistics Trust』はアジアの物流施設などを投資対象としたREITだが、日本で大和ハウスグループの既存REITやファンド等がカバーしない借地物件や地方物件にも投資可能で、多岐にわたる物件の組み入れが期待できるという。これは、シンガポールと日本では会計・税法上の取り扱いが異なり、日本では減価償却費の割合が大きい借地や地方の物件は、不動産が生み出すキャッシュフローの全額を分配することが難しいが、シンガポールではこうした制約が小さいため、シンガポールで組成される『Daiwa House Logistics Trust』が日本国内の物件を取得できる余地は大きいためという。
また、大和ハウス工業はベトナム、マレーシア、インドネシア、タイといった東南アジア各国で物流施設などの開発・運営を行っているが、『Daiwa House Logistics Trust』の上場により、東南アジアでも開発事業とファンド運用事業の両立を目指すとしている。
なお、『Daiwa House Logistics Trust』上場プロジェクトは初期検討段階で三井住友信託銀行によるコンサルティングを得て実施した。
◇ Daiwa House Logistics Trust
【取得資産規模】約805億円(約9億5,300万シンガポールドル、鑑定評価額ベース)
【 投資対象 】物流施設および事業施設
【 投資エリア 】アジア(上場時の全14物件の所在地は日本)
【 上場日 】2021年11月26日
【 出資比率 】大和ハウス工業14%※オーバーアロットメントの結果10%程度まで低下する可能性あり。(別途、永久劣後債30億円を引き受け)
【資産運用会社】Daiwa House Asset Management Asia Pte.Ltd.
【 優先交渉権 】大和ハウス工業が開発する物流施設・事業施設に対する東南アジア物件は第1位、日本国内物件は「大和ハウスリート投資法人」「大和ハウスグローバルリート投資法人」「大和ハウスロジスティクスコアファンド」に次ぐ優先交渉権を付与。