シンガポール港湾運営会社PSAとゲートウェイサービスのSATSは2019年5月9日、マルチモーダル輸送ハブとしてのシンガポールの地位を高めるため、荷主と物流事業者に対して、海上・航空貨物積み替えにおけるシームレスな接続性を確立・提供する覚書(MOU)を締結した。シンガポール企業庁(ESG)が新しいビジネスモデル創出とサプライチェーン革新を目的に主導した。輸送コストの最適化、納期の短縮などにも繋がるとしている。
PSAとSATSは、主に生鮮食品、電子機器、電子商取引などの分野で協力する。両社間のデータ連携とネットワーク拡張により、追跡機能が強化され、異なる自由貿易地域内での荷動きが容易になるとしており、具体的には、ニュージーランドと欧州連合(EU)間の食肉積み替えサービスを提供する認定施設としてEUの承認を世界で初めて受けたSATSのサービスは、両地域間の新たな貿易ルートで機能する可能性があるという。
また、両社はデータ分析機能を構築するため、それぞれの貨物管理プラットフォームを統合し、マルチモーダルチャネルを介して輸送される積荷のリアルタイムの更新と優れた可視性を提供するとしている。
SATSのAlex Hungate社長兼最高経営責任者(CEO)は、「PSAとの業界横断的なイニシアチブを通じて、シンガポールの業界全体が効率的なマルチモーダルソリューションを世界規模で販売できるようになることを願っている」とコメントした。
PSAグループのTan Chong Meng最高経営責任者(CEO)は、「荷主は自社の貨物を競争力ある市場に届けるための革新的なマルチモーダルソリューションをますます求めている。海空マルチモーダル接続を提供する今回のSATSとの提携は、これらの要求を満たすためシンガポールの能力を強化するもので、輸送時間とコストを最適化しながら、荷動きの視認性と貨物の完全性を強化するものだ」とコメントした。