三井海洋開発(MODEC)は、三井物産と共同でシンガポールにデジタルソリューション事業会社Shape Pte.Ltd.を設立した。2021年10月4日発表した。
三井海洋開発は、FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)をはじめ海洋石油・ガス開発プロジェクトに用いられる浮体式海洋石油ガス・生産設備のEPCI(設計から機器購入、建造、据付までの一括工事)、リース、オペレーション&メンテナンス(運転・保守点検)サービスを一貫して提供している。発表によると、FPSO及びその操業に対するデジタル化の可能性に注目し、人工知能等を用いたデータ分析、IoT活用による全体最適化を追求するデジタライゼーションを推進することで、全世界で操業する複数のFPSOをより適切に統合し、運用をより安全かつ効率的にすることを可能にしてきた。
そして、デジタライゼーション分野を経営基盤強化に資する重要分野と位置付け、FPSO操業の更なる先鋭化や効率化、EPCIへの適用領域拡大と並行して、新規事業としてデジタルソリューション事業を立ち上げ、Shape社を設立した。
Shape社は既に、人工知能等を用いたデータ分析による700を超える機械学習モデルを開発しており、主力サービスのPdM(予知保全)などを通じて顧客の設備の安全・安定稼働を支援する。「石油ガス産業をはじめ、再生可能エネルギー産業や鉄鋼産業など、設備の稼働率向上が事業上の重要な価値になり得る全産業を対象に、持続的な成長を目指す」としている。
三井物産は、世界的な事業基盤と顧客ネットワークを活用してShape社を支援する。
Shape社が提供するサービスの技術的実現には、米国Microsoft Corporation(マイクロソフト社)のクラウドソリューションとハードウェアの経験が活かされているといい、米国McKinsey & Company(マッキンゼー社)が4社の協業実現と共に、Shape社が提供するサービスの機能構築を支援しているという。