富士通は、シンガポールのDigital Commodity Exchange Pte.Ltd.(CEO:Stephen Edkins)と、砂糖、コメや小麦などの穀物などの農作物や、貴金属、非鉄金属など生産者に関係なく商品価値が同等またはほぼ同等として扱われる製品原材料など、コモディティ商品取引業界のDXを加速するため、グローバルな戦略的提携を行うことで合意するとともに、完全子会社の富士通ベンチャーズが運用するファンドを通じて2021年7月13日にDigital Commodity Exchange社に出資を行った。
発表によると、Digital Commodity Exchange社は、効率的なコメ取引のデジタルプラットフォームを提供するシンガポールのRicex Pte Ltdの持株会社として2020年に設立されたスタートアップ企業。富士通とRice Exchange社は2019年8月から共同で、ブロックチェーン技術を活用した世界初のグローバルコメ取引プラットフォームによる効率的な取引を実現しており、肥料取引市場における変革にも取り組んでいるという。
今後、富士通とDigital Commodity Exchange社は業務提携に基づき、Digital Commodity Exchange社の持つグローバル取引に必須な顧客確認、契約、貿易業務などのノウハウと、富士通の持つ産業や流通分野の業務知識やシステム構築の知見を組み合わせることで共同事業を推進する。農作物や肥料などの農業分野に加え、高い信頼性と安全性が求められる食品および製造分野や、各種製品の輸出入事業などへ取引プラットフォームをグローバルに展開し、取引業務における変革を目指すとしている。
Digital Commodity Exchange社のStephen Edkins CEOは「技術・ビジネスパートナーである富士通とともに開発したコメと肥料のマーケットプレイスはすでに機能しており、業界の大手企業から高い評価を得ている。当社のプラットフォームを使用する購買担当者は、プラットフォームが提供する検証可能なデータを見ることで、自社のサプライチェーンが環境および社会に与える影響を把握できる。現在、この技術を他の業界に展開する可能性を評価している」とコメントした。
富士通ベンチャーズは2021年3月1日に設立。矢島英明社長は「富士通ベンチャーズが2021年4月1日運用開始した総額100億円のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンドから、第1号案件としてDigital Commodity Exchange社に出資できたことを光栄に思う」とコメントした。