進出・出資・撤退

双日、シンガポールのグラフェン製造スタートアップ2D Materials社に出資

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双日は、シンガポールを拠点にグラフェンを製造・販売する2D Materials Pte.Ltd.に出資した。2D Materials社との協業により、次世代技術・新素材分野に参画する。2021年6月24日発表した。

グラフェンはナノカーボン材料の一つ。炭素原子が網目の様に六角形に結びついてシート状になっていて、極めて薄い・軽い・しなやか・透明な素材で、ダイヤモンド並みの強度を持ちながらも柔軟に折り曲げることができる。

また、電気伝導性・熱伝導性が高く、シリコンや貴金属の代替として、エネルギー貯蔵から塗料・コーティングなど多くの分野での需要が期待されている。電子部材やアルミ、プラスチック製品に添加すると導電性や耐久性が向上するなど、製品を高機能化する用途がある。

ただ、「究極のナノ材料」として世界中で注目される一方で、製造の難度が高く、高価な素材であるため、本格的な商業化にはまだ至っておらず、乗り越えなければならない課題があるという。

2DM社は、シンガポール国立大学(NUS)からスピンアウトしたスタートアップ企業で、環境負荷の低い溶媒を使用したクリーンな製造プロセスを用いて、高品質なグラフェン製品を製造できる技術を持つという。競合企業に比べシンプルなプロセスでグラフェンを製造できるため、製造コストを削減できるという。

双日は、「これまで培ってきた全世界約5,000社に及ぶ化学業界での顧客ネットワークや、販売・調達ネットワークを活かしながら、2DM社の高品質・低価格なグラフェンの実用化を推進し、現在まだ実現していない商業化を実現することで、業界内での優位的ポジションの確立を目指す」としている。

◇2D Materials Pte.Ltd.
【 設立 】2015年7月
【所在地】Blk 16C#04-41,JTC Space @Tuas,Tuas Avenue 1,Singapore
【代表者】Ricardo Vinicius Bof de Oliveira
【事業内容】グラフェン製品の製造・販売、グラフェンを用いた電子部材および高機能プラスチックなどの開発

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