気候変動(低・脱炭素)

シンガポール航空グループ、2050年までの目標「二酸化炭素排出実質ゼロ」

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シンガポール航空グループは2021年5月25日、グループ全体の二酸化炭素排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を発表した。

シンガポール航空、スクート、シンガポール航空カーゴは、次世代航空機への投資、運航効率の向上、持続可能な航空燃料などを使用した低炭素技術の導入や高品質なカーボン・オフセットの調達など、あらゆる手段でこの目標達成を目指すとしている。

シンガポール航空グループは、コロナ禍でも複数プロジェクトを進め、グループのシンガポールの全オフィスビルに太陽光パネル設置を完了した。これにより、再生可能エネルギーを発電することで、ビルの電力需要の最大18%を賄うことができるという。

また、シンガポール航空は2020年、短距離路線のエコノミークラスを対象に、新しいコンセプトの機内食を発表した。食器類として紙容器や竹製のカトラリーを使用し、客室での使い捨てプラスチックの使用量を削減している容器の総重量は50%軽くなり、燃費向上に繋がっているという。さらに、使用した食器類や食品廃棄物などはエコ・ダイジェスター装置により廃棄物由来のエネルギー・ペレットに変えている。

シンガポール航空のゴー・チュン・ポンCEOは、「脱炭素への最も効率的で直接的な方法は若い機材を運航することだ。シンガポール航空グループの平均機齢は6年以下で、世界でも最も若い機材を運航する航空会社グループの一つである。2020年は45機の航空機が退役し、今後は順次、排出ガスを旧型機比で最大30%削減できるより燃費効率の良い次世代航空機へ切り替える」とコメントした。

また、運航面でも、抗力の低減やエンジン効率を上げる航空機やエンジンの整備改善プログラムに投資し、機体の重量を管理し燃料使用量を削減したり、飛行ルートの最適化を図るなどの取り組みを通じて、燃料の生産性を引き続き向上させるとし、「技術面やデータ分析のイノベーションは、目標に向けより大きく前進するために必要不可欠であり、今後も研究機関と協力し、更なるアイデアを探求する」としている。

シンガポール航空は、2011年から「持続可能な航空燃料ユーザーグループ(Sustainable Aviation Fuel Users Group:SAFUG)」に加盟している。

また、シンガポール航空グループは2020年から航空業界が二酸化炭素排出量の増加に歯止めをかけることを目的とした「国際航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキーム(Civil Aviation Organisation’s Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation:CORSIA)」に参画している。

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