インドネシアのコングロマリットSinar Masのグループ企業で石炭を中心とするエネルギー・鉱業大手Golden Energy and Resources Limited (GEAR、本社・シンガポール)は2019年4月29日、シンガポールにイノベーションセンター「GEAR Innovation Network」を創設したと発表した。
発表によると、「GEAR Innovation Network」はシンガポール経済開発委員会(EDB)の支援を受け、鉱業インフラの開発、物流チェーンの拡大など資本集約的な活動の変革に向けたデジタル技術に焦点を当て、GEAR社の広範な資産を活用して、設備投資に内在する財務および運用上のリスクを劇的に減らし、鉱業事業の設備投資を最適化するソリューションを開発する。
同社によれば、このソリューションは建設など他業界にも適用可能だという。
GEAR社のFuganto WidjajaグループCEOは、「活気に満ちたスタートアップシーンは、一流のグローバル企業による何十もの研究開発センターや世界でも有数の研究機関や大学の存在と相まって、イノベーター間のコラボレーションや産業間の相互受粉をはるかに容易にする。EDBの支援を受けてこのイニシアチブを開始できることをうれしく思う」と述べた。
パートナーであるMcKinsey&CompanyのMukund Sridhar氏は、「鉱業や建設など設備投資集約型産業におけるテクノロジーの採用は、農業に次いで2番目に低く、この慢性的な投資不足は、請負業者の低利益率と相まった産業の循環的な性質の結果と言える。しかし、テクノロジーが収益性の向上とビジネスリスクの低減に重要な役割を果たすことを多くの人がまだ認識していない」と述べ、「GEAR Innovation Network」に期待感を示した。