シンガポール訪問中の茂木敏充外務大臣は2020年8月13日午前10時35分から約2時間、ビビアン・バラクリシュナン外務大臣と日シンガポール外相会談及び昼食会を実施した。
外務省(日本)の発表によると、茂木外相は冒頭、「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大後、シンガポールがアジアで初の訪問国となる」と述べ、バラクリシュナン外相は訪問に対する歓迎の意を表した。
両外相は、両国入国後14日間について、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能な「ビジネストラック」と、駐在員等を念頭に置いた「レジデンストラック」(入国後14日間の自宅等待機あり)について、9月開始を目指すことで合意した。
また、両外相は、新型コロナの世界的拡大の局面転換には、ワクチンの開発、普及が不可欠であり、その公平なアクセスを確保するための「COVAXファシリティ」が重要な取組となるとの認識で一致した。
同時に、茂木外相は、「特に新型コロナの収束のためには途上国支援が必要であり、『COVAXファシリティ』を通じた国際協力も進めていきたい」と述べた。さらに、ASEAN感染症対策センターの早期設立のほか、危機に強い経済を構築するためにサプライチェーン機能を強靱化し、デジタル協力を推進することで一致した。
インフラ分野では、第三国における協力案件形成のため協力していくことで一致し、茂木外相はASEANスマートシティ・ネットワーク(ASCN)への積極的な支援を表明した。さらに、毎年開催している「日・シンガポール・シンポジウム」について開催に向けて調整していくことで一致した。
さらに、茂木外相は福島県産食品の輸入規制の更なる撤廃を働きかけた。
茂木外相は同日午後1時から約30分間、リー・シェンロン首相を表敬した。茂木外相は冒頭、シンガポール建国55周年についての祝意を伝え、訪問受入れへの謝意を表明した。
茂木外相は午前中の外相会談で協議した両国の人の往来の再開の検討状況について述べた。