日本政府観光局(JNTO)は2020年5月20日、2020年4月の訪日外国人数(推計値)を発表した。
訪日シンガポール人数は10人未満で、前年同月比100%減となった。2019年4月は36,704人だった。JNTOは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、2月7日以降、シンガポール政府による感染症警戒レベルの引き上げ、日本への不要不急の渡航自粛要請、海外滞在者に対するシンガポールへの入国規制、サーキットブレーカー(外出規制)の実施に加え、3月28日以降、日本における検疫強化、査証の無効化などの対象となったことなどが影響したと分析した。
周辺国では、マレーシア人は20人で、同比100%減となった。2019年4月は46,092人だった。JNTOは、COVID-19の拡大により、3月18日にマレーシアにおいて出国禁止を含む活動制限令等が発令されたことなどに加えて、3月28日以降、日本における検疫強化、査証の無効化の対象となったことなどが影響したと分析した。
インドネシア人は100人で、同比99.7%減となった。2019年4月は39,768人だった。JNTOは、COVID-19の拡大により、3月3日以降、インドネシアにおいて日本への渡航警戒レベルの引き上げなどがあったこと、3月28日以降、日本における検疫強化、査証の無効化の対象となったことなどが影響したと分析した。
訪日外国人数全体は同比292万3,785人(99.9%)減の2,900人で、7カ月連続で前年同月実績を下回った。JNTOが統計を取り始めた1964年以降、単月の訪日外客数としては過去最少という。COVID-19の拡大により、多くの国において海外渡航制限や外出禁止等の措置が取られていること、また、日本においても検疫強化、査証の無効化等の措置の対象国が拡大されたことなどが、22市場全てで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となる要因となったと分析した。