愛媛県の中村時広知事は2020年5月14日午後11時44分から7分間にわたり、同県のデジタル化の取り組みに関して記者発表を行った。
この中で、中村知事は、サイクリスト誘客について言及し、「外国人の趣味・関心に訴求する新たなポータルサイト『CYCLING EHIME』を構築し、サイクリストの聖地『しまなみ海道』を核とした情報発信体制を整備するとともに、日本を加えた8カ国・地域に動画を配信した結果、1,400万回を超える視聴を得た」と述べた。
そのうえで、58万人のウェブ閲覧データから「米国・フランス・シンガポールはスポーツ性重視、日本・台湾・韓国はレジャー性重視などの特性を把握できた」と語った。
愛媛県は、「しまなみ海道サイクリングロード」の世界的な注目の高まりを契機に、県内への旅行需要創出につなげるため、世界基準のサイクリングウェブサイト「CYCLING EHIME」を構築するとともに、2019年10月31日~2020年2月29日まで8カ国・地域(日本、米国、英国、フランス、豪州、シンガポール、韓国、台湾)を対象に、一層の認知拡大と旅行意欲の喚起を目的としたキャンペーン動画(YouTube)を制作、戦略的なデジタルプロモーションを実施した。
その結果、動画表示回数は3,819万3,725回、同視聴回数は1,411万3,057回で、視聴率は36.95%だった。このうちシンガポールは動画表示回数110万8,469回、同視聴回数32万1,904回で視聴率は29.04%だった。
また、バナー広告表示回数は1億3,115万9,497回、クリック数は93万3,132回で、クリック率は0.71%だった。このうちシンガポールは、同表示回数は229万719回、同クリック数は2万2,477回で同クリック率は0.98%だった。
同県は、動画広告・バナー広告の配信結果から、国ごとに動画広告視聴単価やウェブサイトへの誘導効率、滞在時間等の数値を詳細に分析し、各国の愛媛サイクリングに対する志向をまとめた。
その結果、シンガポールは、サイクリングを「スポーツ」として捉える傾向があり、サイクリングのスポーツ性を押し出したプロモーションが有効と考えられるとしている。また、サイクリングルートのページに滞在する時間が長く、情報収集に熱心なユーザーが多いことが分かったという。